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長いトンネルを抜けて

10月8日
読了時間: 3分

10 月 3 日、主人の三回忌を無事に終えました。

私にとってこの二年間は、長いトンネルの中を歩いているような時間でした。



その日は突然

二年前の 10 月 8 日。主人は、前日までいつもと変わらない一日を過ごしていました。

仕事に行き、会議の進行を務め、いつものように帰宅して、お風呂に入り、夕食を食べてソファでゆっくり過ごす。

「少し息がしづらいから、早く寝るね」 「大丈夫? 病院に行く?」 手を振りながら「大丈夫、大丈夫。おやすみ」

・・・それが最後の会話になりました。

翌朝、いつもの時間になっても起きてこない主人。部屋を覗くと息をしていない・・・

救急車を呼び、私は必死に「パパ‼」と叫びながら冷たくなった体を温めようとさすり続けました。



我が家の北斗七星

主人は、毎日「いただきます」「おいしゅうございました。ごちそうさま」と丁寧に手を合わせる人でした。

どんな小さなことにも「幸せだねぇ」と感謝を忘れない。

娘たちの話をよく聴き、温かくて大きな手で頭をポンポンと包む。

家族を包み、家族を見守る、我が家の北斗七星のような人でした。


北斗七星の画像


照見五蘊皆空

主人が亡くなってから何度も般若心経を唱えました。 『照見五蘊皆空』 全ては空・・・。

それでも毎日、写真に向かって「パパ、どう思う?」と話しかけ、「パパがいたら・・・」と涙してしまう。

私はこれからも “深い智慧の境地” に至ることはなさそうです。



発酵日和へ

それでも、少しずつ前を向けるようになってきました。

友人がかけてくれたひと言をきっかけに、発酵料理のお店『発酵日和』の準備を進めています。

もともと、食育の拠点になるような場所が欲しいという想いが強くなっていた。

地域の人が気軽に立ち寄れて、誰かの居場所になる。そして、私自身にとっても居場所になる。

そんな温かな場所をつくれたらいいなと思っています。



熟成を愉しむ

手間をかけることを楽しむこと。身体にやさしいものをいただくこと。人と人が一緒に食卓を囲むこと。

そんな時間を発酵と同じように焦らず、じっくり。ゆっくり熟成していくからこそ、味わい深いものになる。

この二年間、立ち止まったり、遠回りしたり、思うように進めないこともたくさんありました。

でも、それも無駄ではなかった。

これからは、焦らなくていい。一日一日を大切にしながら、私のペースで進んでいきます。


これから始まる「発酵日和」も、地域の誰かにとっての居場所になり、「ここに来ると、なんだかほっとする」

そんな場所になったら嬉しいです。


きっとこれからも、何かあるたびに主人に「パパ、どう思う?」 と問いかけるでしょう。

いつもの笑顔で 「ママのやりたいようにやったらいいよ」 と言ってくれるかな。

「パパ、見ていてね。」



 
 
 

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