常在菌をつなぐ
- るり子 市原
- 8月5日
- 読了時間: 2分
みそづくりを始めて、30年以上が経ちました。 20 代の頃は「何でも手作りしたい!」 暮らしの中に手仕事を取り入れることが楽しくて仕方ありませんでした。
我が家の行事『みそづくり』
みその材料は、とてもシンプルです。 大豆、糀、そして塩。 じっくり煮た大豆に、塩切りした糀を合わせます。 塩切りは、糀と塩を先によく混ぜ合わせ、糀の発酵をゆるやかにし、おいしいみそへと導く大切な工程です。 昔から「その土地のものをいただくのが一番」と言われます。 みそづくりもまた、その家族の手で混ぜ、こねることに意味があります。

常在菌が育む “手前みそ”
手にすむ常在菌は、一人ひとり違います。家族みんなの手で仕込んだみそは、それぞれの常在菌とともに、ゆっくりと時間をかけて熟成していくのです。 わが家では毎年、新しく仕込むみそに前年のみそを少しだけ加えます。 発酵を助けるためでもありますが、もう一つ、大切な理由があります。 それは、常在菌をつなぐ こと。 毎年受け継がれる菌が、その家だけの味を育ててくれるのです。
常在菌をつなぐ
毎年、丁寧に塩切りをして、大豆と糀をまんべんなく混ぜるのは主人の役目でした。 丸めたみそ玉を、甕の中へ空気を抜きながら隙間なく詰めていく姿は、まるで熟練の職人のようでした。 二年ほど前、主人は突然この世を去りました。 その年は悲しみが深く、みそを仕込むことができませんでした。 今年、みそを仕込もうと甕を開けると、2年もののみそはあめ色に熟成し輝いていました。 「ここには、主人の常在菌が生きている」 そう思った瞬間 涙があふれました。

発酵日和
発酵料理のお店を始める新しい一歩。主人はきっと「ママらしいな」と少し呆れた顔で笑っているはず。 みその中で生き続ける常在菌と一緒に、私を見守っていてくれているでしょう。 今日も発酵のちからに感謝です。
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